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原水協通信(大阪版)

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歴史的な到達点-核兵器禁止条約に向けた決議 
国連軍縮週間のつどい~会場いっぱいの
参加者82人
(10月29日)

 10月29日、大阪原水協は大阪市中央区の社会福祉指導センターで、「国連軍縮週間のつどい」を開催し、会場いっぱいの82名が参加しました。「つどい」では、第1部には被爆者、被爆2世、高校教員、小学校教員、高校生という幅広い世代が「被爆体験の引き継ぎ」「ヒバクシャ国際署名の意義」について語り合うトークセッション、第2部では関西学院大学教授で、原水爆禁止世界大会国際会議宣言起草委員長の冨田宏治氏の講演が行われました。

☆被爆者から高校生まで 幅広い世代が語り合う
 第1部では、天王寺区在住の被爆者で現在90歳の末広千鶴子さんが被爆証言を行いました。

 「するどい光が射し、焼夷弾かと思った。気がつくと真っ暗になっていました。あたりが明るくなると、私は裸になっていました。頭にはガラスなどの破片が突き刺さっていて、被爆から3日後に、麻酔もなく破片を取り除いた時に、とても痛かった。また救護の船に乗ろうとした時に、足に五寸釘が突き刺さっていました。」

 生々しい証言に、参加者は息をのんで聞きいっていました。末広さんの証言を受けて、高校生や若手の高校教員、小学校教員が発言。ビキニ事件について子どもたちと語り合いながら被爆体験について教育を進めていく実践や、「友達をここに連れて行きたかった」という高校生の発言などがありました。

 また「ヒバクシャ国際署名」については「京都被爆2世3世の会」の平信行さんが、その意義について「ヒバクシャ国際署名は、世界の被爆者が訴えたものであり、最後の署名と言われるものです」と語りました。これに対して他の登壇者も「自分たちの同僚や生徒に働きかけていきたい」と決意を語りました。

☆核兵器禁止条約に向けた決議の歴史的意義と日本政府への批判
 ①世界平和に向けた4つの流れ
 第2部で講演した冨田宏治氏は、冒頭、現在の世界政治には、後戻りできない4つの流れ――①民主主義、②法の支配、③抑止力批判、④国際紛争の平和的解決、があると説明。市民社会の関与を奨励した国連のオープンエンド作業部会や、アメリカとキューバが国交樹立するなど、平和的解決が世界の大きな流れになっていると述べました。

 また、国連総会第1委員会で123カ国が核兵器禁止条約に向けた交渉をするための国際会議が来年3月27日~31日、6月15日~7月7日にニューヨークで開催される予定であることが決議されたことについて、「歴史上初めて期限をきった核兵器禁止の決議があがった」とその歴史的意義を語りました。また、この間、NPT再検討会議を通じて、核兵器の禁止の法的な枠組みについての議論が進められてきたことについて、2011年10月の国連総会第1委員会でドゥアルテ上級代表(当時)の発言を引用しながら核兵器禁止条約を求める署名が積み上げられ、原水協が700万筆にのぼる署名を集めたことについて触れ、日本の原水爆禁止運動が、役割を果たしてきたことを評価しました。

 さらに、キッシンジャー元米国務長官が「核兵器のない世界へ」とよびかけたことについて触れつつ、彼らが「核拡散」「核テロ」の恐怖から、核兵器を廃絶しようとしていることを指摘し、核兵器がますます広範囲に入手できる状態になっていることによって「抑止力」の有効性が低下していると述べ、もはや「核抑止論」が時代遅れで、世界は大国の強大な軍事力で支配できなくなっていると語りました。その上でキッシンジャー氏が言う「核兵器のない世界の平和と安全保障」論は動機が不純であると批判し、広島・長崎の被爆の実相の普及こそ「核抑止力」論を打ち破る最大の力だと述べました。

 ②安倍政権は世界の平和の流れに逆行している
 そして、国連第1委員会の「決議」に反対した日本の安倍政権は、戦争法を暴力的に聞強行採決し、立憲主義を否定し、抑止力強化のために戦争法を制定し、平和的解決に反する集団的自衛権行使を認めるなど、世界の不可逆的な4つの流れに逆行していると厳しく批判しました。とりわけ安倍政権が「抑止力」を理由に戦争法を制定したことについて、冨田氏は「安倍首相は抑止力と防衛の違いをわかっていません。防衛は攻めてきた国に対して防ぐことですが、「抑止」とは「攻撃を仕掛けてきたら圧倒的な軍事力で報復して、徹底的なダメージを与えるぞ」と脅迫して、敵の攻撃を「抑止」しようとすること(やられたらやりかえす。10倍返しだ)。「報復」「脅迫」「恐怖」によって相手を支配する考え方が「抑止力論」で、そのための圧倒的な軍事力が「抑止力」であると説明しました。そして、「抑止力」が相手に壊滅的なダメージを与えるものである必要があることから、「抑止力」は「核抑止力」となることや、「抑止力論」が軍拡競争や、一触即発の緊張状態をつくりだし、先制攻撃への誘惑がつきまとうものだと指摘。このような考え方や政策で安全が保障されるとか、一国の地位が高まるというのは幻想であり、核兵器廃絶こそ世界の安全を保証するものだと述べました。

 参加者からは、「日本の原爆投下がなくても戦争は終わっていたのではないか」「被爆者の言葉を多言語に翻訳する取り組みを進めていきたい」など多彩な意見や質問が出されました。



ノーモアヒバクシャ近畿訴訟 地裁で全面勝訴
裁判所前で喜びの声(10月27日)


 10月27日、大阪地裁で原爆症認定のの取り消し訴訟を求める二人の原告への判決がだされました。大阪地裁は、二人に対して、その主張をほぼ全面的に認め、乳がん、心筋梗塞、胸部大動脈りゅうなどの疾病は放射線物質に起因するものと認めました。

 裁判所前に集まり、判決を待っているノーモア・ヒバクシャ訴訟支援近畿連絡会の人々のところに、「全面勝訴」が告げられると、喜びの表情を見せながら、国側に「控訴するな」の取り組みが重要だと決意を固めていました。(詳細は『原水協通信(大阪版)11月号』をご参照ください。


6月7日「ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟」
全面勝利をめざす学習交流集会・主催者挨拶

2014.6.7 原爆訴訟を支援する大阪の会 岩田幸雄


  本日は、兵庫、奈良、京都など遠方もふくめ、しかも大阪駅からも距離のあるこの場所に、ようこそ来ていただきました。本当にご苦労様です。

 また日本被団協の総会を終えたばかりの中を東京からかけつけていただいた田中照巳事務局長、ありがとうございます。

 つい先日、6月3日行われた日本被団協の総会で、田中事務局長さんが「2003年からの集団訴訟を通じて認定被爆者が約4倍に増えるなど、国に一定の改善をさせたが、司法が幅広く認めたような抜本的改善には至っていない」と指摘され、いま取り組んでいる「ノーモア・ヒバクシャ訴訟が制度の抜本改善をすすめるうえで大きな力になる。日本被団協としてもノーモア・ヒバクシャ訴訟に腹をくくって本気で取り組む」と全面支援を約束されました。本当に頼もしく心強い限りです。

 そして同じく6月3日付 朝日新聞社説でも原爆症認定問題を、「国は争いに終止符を」という見出しでとりあげて、こう述べています。「原爆被害者と国との争いを一刻も終わらせたい。動くべきは国である」と。更に「死に絶えるのを待っているのか」という被爆者らの憤りの声に安倍政権は向き合ってほしい。国の責任を認め、争いに幕を引くべきだ。まずは認定基準の抜本改正である。国際社会では核兵器の非人道性が注目されている。非人道性を身をもって知る被爆者と被爆国政府がわだかまりなく共に歩めば、核兵器廃絶に向け、このうえない力になるはずだ。」と主張しています。

 朝日新聞の社説に全く同感で、まさにわが意を得たりの思いです。

 これまでずっと日本政府は、かたくなな態度をとり続けており、今年5月9日に大阪地裁判決で原告2名が勝利して認定され、政府は集団訴訟開始以来、なんと33回も裁判で断罪されているにもかかわらず、それでも2名の原告のうち一人について控訴するという、人道上も許しがたい態度をとりました。私は、この5月9日の勝利判決の「旗だし」で書かれていた、「厚労省、生きているうちに認定せんかい!」の言葉が忘れられません。

 そんなわけで、これまで毎年この時期に「近畿のつどい」を文化行事もふくめて行ってきましたが、正直いって、私たちの取り組みは、決して十分とは言えないにあり、私たちの運動も改善・強化が求められています。

 それで今回は、改めて原点にたちかえって、今の到達点と我々がなすべき課題などをしっかり意思統一するために「学習・交流集会」として開催することとしました。

 考えてみますと、日本政府の態度は、被爆者だけでなく空襲で犠牲になった人を含めた全ての国民に対して「戦争だから仕方がなかった」という戦争受任論の立場、国家補償の責任放棄、そして原爆被害についても「原爆被害の影響はできるだけ小さく見せる」という不当な態度であり、それが今日の安倍政権の福島の原発事故処理に対する責任放棄、その一方での原発輸出、再稼働につながり、また核抑止力にしがみついて核兵器廃絶に消極的な態度をとり続け、さらには集団的自衛権の行使容認、すなわち憲法を変えて戦争する国づくりにまで結びついていると思います。

 だからこそ、このノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟の勝利と原爆症認定制度の抜本的改正は、絶対に負けられない闘いであり、急がなければならない取組です。近畿訴訟18名の原告を先頭に大きな支援の輪をひろげましょう。 

 本日の学習・交流集会が闘いの前進にむけ新たな契機になるよう皆様の活発な討論をお願いして挨拶とします。

 どうぞ宜しくお願いします。

以 上


◆学習交流集会で確認された行動提起(ワード文書)
◆大阪高等裁判所は、国の非人道的な控訴は直ちに棄却し、原爆症と認めてください。(要請書。署名と「私のひとこと」 ワード文書~上の画像)




ノーモア・ヒバクシャ訴訟について、大阪地方裁判所が3月20日に下した判決に「控訴するな」の要請(ファックス送付)をします。

<控訴するなFAXのお願い>


《控訴するな》要請書(PDFファイル)
●控訴期限は、*4月4日(金)です 。

 去る3月20日、大阪地方裁判所第7民事部(田中健治裁判長)は、未認定原告4名の原爆症認定申請却下処分を取り消す全員勝訴判決を言い渡しました。原告は1人が狭心症、3人が骨髄異形成症候群を含む悪性腫瘍を申請疾病としています。そして、2人について は、国の主張を排斥して原告の主張に従って入市の事実を認定しました。

 また、勝訴した4人中2人の原告は、2013 年12月16日に再改定された新しい審査の方針の積極認定に関する被爆距離ないし入市時間の基準に該当しない原告です。。

 従いまして、今回の判決は、厚労省の上記再改定が極めて不十分であることを示したことになります。。

 厚労省は、新しい審査の方針を策定し、かつ2009年8月6日の「原爆症集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」を締結したにもかかわらず、自らの策定した「新しい審査の方針」の運用を狭め、原爆症認定行政を後退させました。。

 このような姿勢は昨年12月16日の基準再改定によっても、まったく変わることはありませんでした。。

 不当に認定申請を却下された被爆者らは、こうした状況を打破するために、この訴訟をはじめ、全国7地裁で100人以上が「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」として裁判を起こしています。。

 今回の判決は、この国の後退する原爆症認定行政を痛烈に批判し、かつ司法と行政の乖離がいまだ埋められていないことを明確に示す内容となっています。。

 この判決を控訴することなく確定させることは、全国の被爆者がたたかっているノーモア・ヒバクシャ訴訟にとって極めて大きな力になります。。

 厚労大臣は、控訴を断念し、重い病気で苦しんでいる原告に対する早期救済をはかり、原爆被害に対する償いをはかるべきです。加えて、国は、これまでの多くの判決の趣旨に沿った認定基準の改定や認定制度の抜本的な改善を行い、司法判断と行政認定の乖離を直ちに埋める必要があります。そして、国が20万余の被爆者が生きているうちに、原爆被害に対する償いを果たすことこそが、核兵器をなくすという人類の取るべき道を進めることになります。

 原告らの平均年齢は77歳を超えています。被爆当時生後7か月だった原告も、69歳になります。長い原告では申請からすでに6年も経過しています。原告に残された時間は限られています。。

 そこで、みなさまにお願いです。  厚生労働大臣に対して、今回の判決に控訴することなく、判決を確定させることを求める要請文(別紙)を送って下さい。よろしくお願いします。。

●控訴期限は、*4月4日(金)です 。

近畿在住の「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」の判決(3月20日大阪地裁)

国は司法判断と行政認定の乖離を直ちに埋めよ! 原爆症裁判-国の新基準を否定

3月20日裁判所まえでの訴え 近畿在住の「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」の判決が3月20日午後1時10分大阪地裁であり第7民事部の田中健治裁判長は7人の原告のうち国が昨年末の基準改定によって、自ら認定を行った3人以外の原告4人の却下処分を取り消し、「原爆症の認定をすべき」と命じました。

 4人は昨年末に国が改定した基準では認定されていませんでした。

 判決後の報告集会で尾藤広喜近畿弁護団幹事長は「全員勝訴と認定されたことは大きい。認定基準を判決の内容に従ったものに変えるよう」に、司法判断と行政認定の乖離をなくすべく、4月1日の国会院内集会等で国に求めていこうと行動提起しました。

 詳しくは共同声明をご覧ください。



原爆症認定制度の抜本制度を求める一斉行動
(12月3日)
~政府は被爆者の声を~

  12月3日、「原爆症認定制度の抜本制度を求めるいっせい行動」が国会で、日本被団協や全国弁護団連絡会などの共催で行われました。大阪原水協からは、岩田理事長が代表参加をしました。
 2010年9月、厚労大臣のもとに設置された「認定制度検討会」が25回続けられました。次の26回検討会は、12月4日に開かれ、最終答申が出される予定。この日を前に、国会には150人以上の全国からの被爆者が結集しました。
 挨拶に立った田中照美・日本被団協事務局長は現在の状況を次のように報告しました。
 「検討会では、坪井・被団協会長とともに、他の委員と激しく論争。しかし私たちが求める被爆者全員の救済とは程遠く、現行の認定制度の改善という検討会の目標には至っていない。黒い雨については、健康に与えるような量は確認されてない、と言っています。積極認定の基準としてもうけられた被爆距離約3・5キロ、約100時間入市にしきい値を設けて、現行の認定行政をつい認する方向の報告書が予想されます。何のため25回もやってきたのか、心から怒りをおぼえます。これからも全国の支援者の皆様や全国弁護団の皆様と奮闘致します」。
 参加者は、院内集会の次に、地元出身議員と衆参厚生労働委員のすべての政党の国会議員への要請活動を精力的に行いました。

原水協通信《大阪版》838号(12月6日)より転載。

被爆者の命の叫びを忘れないで下さい
「国連軍縮週間のつどい」開催(10月26日)
平和の歌声と被爆証言で決意新たに

オープニングは平和を願う歌声で
 10月26日、「国連軍縮週間のつどい」が大阪グリーン会館で開かれました。1978年から国連軍縮週間を記念して、35年間開催されている歴史ある集会です。大阪府・大阪市からも30年間後援をいただいている集会ともなっています。
 オープニングは、千秋昌弘さんのテノール独唱。「人間をかえせ」の熱唱には会場から大きな拍手が寄せられました。続いて、男性合唱団「昴」の組曲「放射能」は、福島の人々の想いが熱唱され、軍縮週間のつどいにふさわしい歌声となりました。

17歳が見た広島の地獄絵図
 高木静子さんは、広島女子高等師範学校四年生17歳で被爆。8月6日のいつもの校庭である朝礼は、前夜の空襲警報を考慮し、中止に。校長先生の判断が高木さんの生死の分かれ目となる。
 8時15分。自分のノートを開いた瞬間、強烈な光が走った。写真のフラッシュを何千倍も強くした強烈な閃光!木材の中から這い出してみると、校舎がない。
 廃材の山。ポタポタと額から血がしたたり始め、左首からも血が噴き出してブラウスは、もう真っ赤に染まっていた。
 気がつくと、兵舎の板敷の間に寝かされており、うめき声が満ちている。声の中から急に立ち上がって叫び声を発し、発狂しているのか。まるで、焼いたイワシのように寝かされているのは動員学徒の中学生。少年・少女たちがウジ虫のエサになっている。私は、ウジ虫をとってあげると、「お姉ちゃんと、ア、リガ、ト」と言って、ほっとするのもつかの間、ガクンとなってしまう。かすかに「お母ちゃん」と呼んで、こと切れるのだ。・・・・・・・・・
そして、少女時代の私の夢は断たれた。


原水協通信《大阪版》837号より転載。
なお、◆「国連軍縮週間」で対府交渉(10月22日) ◆原爆裁判支援の夕べ(10月24日) ◆GET OUT!カーチスウイルバーー米艦船入港抗議行動(10月26日)の記事は、原水協通信837号からご覧下さい。



<談話>
第68回国連総会第一委員会での「核兵器の人道的影響に関する共同声明」について


2013年10月24日  大阪原水協理事長 岩田 幸雄

1.10月21日、核兵器の不使用と廃絶への決意を宣言する「核兵器の人道的影響に関する共同声明」が発表され、125ヵ国が参加しました。日本政府は、これまでこの種の「共同声明」への参加を拒否していたが今回初めて参加を表明しました。
 この「共同声明」では、「いかなる状況下であっても核兵器が二度と使われてはならない。事故であろうと、誤算であろうと、意図的であろうと、核兵器の爆発がもたらす破壊的な影響に対処することはできない」とし、「核兵器が再び使われないことを保障する唯一の方法は全廃だけだ」、「我々は世界から核兵器の脅威を取り除く義務を未来の世代のためにも負っている」と謳っています。
 大阪原水協は、核兵器の悲惨さを体験した国の政府として、遅すぎたとはいえ今回の「共同声明」への参加を当然のこととして評価するものです。同時に日本政府として国際社会において、この「共同声明」を踏まえた実効ある措置をとるための行動の先頭に立つことを強く求めるものです。

2.「核兵器の人道的影響に関する声明」は、2012年5月の「2015年NPT再検討会議・第一回準備委員会」(ウイーン)では、スイスなど16ヶ国が参加し、同年10月の国連総会では、34ヶ国プラスバチカン王国の参加、さらに今年4月の「2015年NPT再検討会議・第二回準備委員会」(ジュネーブ)では、80ヵ国の参加へと発展してきた経過がありますが、日本政府は、これまで三回とも「共同声明」への参加を拒み続けてきました。
 こうした日本政府の態度には、広島・長崎市長をはじめ私たち草の根の核兵器廃絶を求める広範な国民、各国政府からの失望と批判の声が寄せられていましたが、今回日本政府が「共同声明」に参加を決めた背景には、こうした内外世論の高まりがあったことは明らかであり、私たちの運動の到達点の反映ともいうべきものです。
 しかし、日本政府は「共同声明」に参加する一方で、『「核の傘」に依存する従来の安全保障政策に変更はない』としていますが、アメリカの「核抑止力」に依存する立場と核兵器の全面禁止、廃絶の立場は、根本的に矛盾するものです。私たちは、日本政府がアメリカの「核の傘」から脱却し、核兵器禁止条約の国際交渉に役割を発揮することを強く求めます。

 3.残虐な核兵器を一日も早く禁止せよという声は、被爆者の命の叫びであり、私たち原水爆禁止運動の原点です。今回の「共同声明」への参加をつくりだした私たちの運動の力を確信にし、2015年NPT再検討会議の成功にむけて、大阪から100万筆の署名集約と150名の代表団派遣にむけて、草の根からの取り組みを一層強化するものです。
以 上

「談話」ワード文書をダウンロードできます







① 判決前集会  午前10時20分 /場所:若松浜公園 裁判所南側・堂島川沿い
②午前10時45分 裁判所へ移動 /原告を先頭に、そろって裁判所202号法廷へ
③午前11時00分 〝判決〟202号法廷 /裁判所前で「旗出し」!

 いま近畿で、原爆症認定却下の取り消しを求めて、33人の被爆者が裁判でたたかっています。このうちの9人の原告に8月2日午前11時、大阪地裁 で判決が出されることになりました。

 2009年の「8・6合意」以後も、司法の判断を無視した、一向に変わらない被爆者行政に、高齢化した被爆者の苦しみがつづきます。もう待てません。一刻も早い全面解決が求められています。支援活動をいっそう大きくしましょう。

◆案内ビラ版下(ワード文書 ・ PDF文書) 

  原爆症認定訴訟裁判が結審
判決日は8月2日(金)決定
《第2民事部原爆症認定裁判は原告和田さんの弁論で結審》

 2月8日午後1時30分から大阪地裁202号法廷で開かれた2010年~11年提訴の第2民事部原爆症認定裁判は原告和田さんの弁論で結審。

 判決日は8月2日(金)午前11時~202号法廷と決まりました。

 この他第2民事部、第7民事部に係属されている訴訟もこれから山場を迎えます。
 引き続き裁判傍聴・署名運動等のご支援をお願いします。

 次回の2011年~12年提訴の裁判日程は4月24日(水)午前11時~202号法廷です。
 (上記の集会写真は、裁判後の報告集会の様子)



原爆症認定訴訟勝利集会報告
近畿のつどいに100人参加

 昨年12月21日に事実上最後の集団訴訟グループの判決が大阪地裁であり、原告の全面勝利となりました。これを記念して6月2日大阪コロナホテルで勝利報告集会が開かれました。
 冒頭亡くなられた元原告の皆さんに黙祷を捧げて集会が始まりました。日本被団協の田中事務局長から認定基準改訂作業が国側の抵抗により大幅に遅れ、その結果大量の認定申請の却下が続いていると現状報告がありました。このような国の不作為を許してはならないと全国弁護団事務局長の宮原弁護士からこれまでの教訓と今後の闘い方について提起があり、藤原近畿弁護団長からは新たな「ノーモアひばくしゃ訴訟」が準備されつつあると全面解決への展望が述べられました。
 最後に当日出席された8人の元原告・家族から支援に対する感謝の言葉がありました。



2011年12月21日

原爆症認定集団訴訟(近畿3次)
大阪地裁判決についての声明

原爆症認定集団訴訟近畿原告団
原爆症認定集団訴訟近畿弁護団
原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
原爆症認定集団訴訟支援近畿ネットワーク

1 はじめに  本日、大阪地方裁判所第2民事部(山田明裁判長)は、原爆症認定集団訴訟近畿第3次訴訟に関し、未認定原告5名のうち4名の却下処分を取り消す勝訴判決を言い渡した。これにより、原告7名中6名までが認定された。1名については、残念ながら要医療性が認められなかった。

2 今回の判決は、厚労省が現在行っている原爆症認定行政が、なお著しく誤っていることを示した。国は繰り返し加えられている司法による批判に従い、被爆者に対する国の責任を即刻果たすべきである。

3 判決は、被爆者に対して国が認めようとしなかった入市と残留放射線による広範な被爆と内部被曝による人体影響について、「誘導放射化物質及び放射線降下物を体内に取り込んだことによる内部被曝の可能性がないかどうかを十分に考慮する必要があるというべきであり、加えて、内部被曝による身体への影響には、一時的な外部被曝とは異なる性質が有り得ることを念頭に置く必要があるというべきである」と改めて確認した。このことは、福島第一原発災害による放射線被曝に対してこれまでと異なる抜本的かつ今後長期間にわたる綿密な調査に基づく対策が必要となることを示している。

4 国は、2009年8月6日の「原爆症集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」を締結したにも拘わらず、自ら定立した「新しい審査の方針」すら無視して原爆症認定行政を著しく後退させ、被爆者をなお苦しめ続けている。不当に認定却下処分を受けた被爆者は、これを甘受することができず、大阪地裁での提訴をはじめとして、広島、熊本、札幌、名古屋、岡山でもこれに続き、現在59名が集団訴訟後も新規に提訴して、再び裁判で解決をせざるをえないような状況が生じている。

5 国が、21万余の被爆者の命ある内に、原子爆弾による被害救済の責任を果たすことこそ、地上から核兵器をなくすという人類の取るべき道を進めることであり、同じ放射線被害を受けた原発被害者の救済につながるものである。 以上 


 

国は原爆症認定基準を速やかに改定し、全ての申請を認定せよ
原爆症裁判勝利と全面解決をめざす近畿支援のつどい開催

  6月4日、原爆症訴訟近畿弁護団と原爆症訴訟近畿支援連絡会議の呼びかけで「原爆症裁判勝利と全面解決をめざす近畿支援のつどい」が大阪市北区で開かれ122名が参加しました。
 国(厚生労働省)を相手に、2003年から全国で始まった原爆症認定集団訴訟は2006年の5月の大阪地裁判決を皮切りに被爆者側勝訴の判決が出されるなか、2009年8月6日に日本被団協と当時の麻生太郎総理大臣との間で「確認書」が交わされ、集団訴訟の解決にむけ大きく前進しました。
 しかし、国は抜本的な認定制度の改善に背を向け、機械的な認定作業による大量の却下処分を重ねています。このためその取り消しを求める新規訴訟が順次提起されています。
国の不当な認定行政が改まらない限り訴訟はこれからも続きます。
 弁護団の愛須勝也弁護士が基調報告。原爆症認定集団訴訟第3次訴訟(7月8日結審予定)の全面勝利に向けた大阪地方裁判所への要請署名の取り組み強化や、国の認定基準の速やかな改定を求める運動をもう一回り大きく広げていくことを確認しました。  中川益夫香川大学名誉教授が「福島原発事故と今後―被爆と被曝の原点を考えるー」と題して講演しました。


《2011年12月21日(水)の集団訴訟取り消し第3次判決日の様子》


原爆症認定集団訴訟 《当面の日程》

◆ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟
大阪地裁 "判決"


 
判決前集会
8月2日(金)午前10時20分~
  《 裁判所南側・若松浜公園》


第2次義務付け訴訟判決
8月2日(金)午前11時~
  《202号法廷》


判決報告集会
8月2日(金)午後0時20分頃~
  《 中之島公会堂大会議室》